怒りが出た時の対処法
まずは自分が怒っていることに気づくことが大事です。
自分が怒っていることに気づけるなら、その感情を客観的に観察できています。「私は怒っている」とわかっているのですから。
怒っていることに気づかないまま怒っていれば、あなたは怒りの中に埋没しています。我を忘れて怒りに身を任せている状態、怒りに乗っ取られている状態です。
怒っている対象、人や出来事に対して「なんであの人はああなの!」「いい加減にしてほしい。むかつく!」などと思います。
「私を怒らせているあんたが悪い」ってな感じですね。
怒っているときはたいてい自分が正しいと思っています。
自分が怒っていることに気づかないと、何度も何度も繰り返します。
あとで気づいて、「またやっちゃったよ、、、」と後悔することもあるでしょう。
ネガティブ感情と自分とを同一視しない
怒りに限らず、ネガティブ感情と自分とを同一視しているとしんどいです。
ネガティブな感情は自分にぴったりとくっついた偽の皮膚みたいなものです。あなた自身ではありません。あなたの体に張り付いたそれをひっぺがす必要があります。
つまり自分自身から「感情、情動」と「思考」を分離するということです。情動は怒りや喜びなど一時的に急に発生する心の状態であり、感情は好き嫌いや優しいなど継続する心の状態です。
あなたと、自動的に起こってしまう情動や感情を分ける必要があります。
怒りが出た時に怒っている自分に気づいて、「今、怒っている自分がいる」と冷静に客観的にそれを眺めている自分を持つということです。
最初は怒っている自分を強く感じるでしょう。しかし「今、怒っている自分がいる」と自覚し、観察者である自分をより強く感じるように訓練します。
それを繰り返していると、怒りながらも冷静な自分がいる、怒っている自分を静かに眺めている自分がいるという状況になります。感情的になっている自分と、それを眺めるもう一人の自分がいるということですね。
この時点で自分の心の状態を眺めている自分ができています。眺めている自分が主体になれば、ここは怒る方がいいか、気持ちを諌めるがいいかを理性的に判断するようになります。
そのうち怒りが出る直前に気づけるようになり、事前に止めることができるようになります。
もちろんこれは怒り以外にも使えます。
自分の心の動きに気づくために、常に自分の内面を観察する自分をもっておきましょう。
平常心の状態を覚えておくと、感情がブレるたびに「あ、ブレた」と気づいて、振り子のように平常心に戻ることができます。
通常はメモリ0の平常心です。その感じを覚えておけば、怒りや動揺が起こり、ピピッと心の針がぶれたら、すぐに気づきます。
情動は感じ切って手放してしまおう
情動は感じきってしまえば、消えていきます。その場でグワーと体感して自分の身体を使って感じきることができるならそのようにしてください。
その他にできることは、怒りであれば、人に迷惑がかからないようにして、
枕や布団をサンドバックがわりにする、
割り箸をボキボキ割る、
新聞紙をぐちゃぐちゃにして破る、
皿を何枚か割る、
カラオケボックスで絶叫する、
全力で走る、
などして発散させるとすっきりします。
皿50枚ぐらいを思いっきり割ったらかなりスッキリしそうです。
その後の掃除が大変ですが。
そのまま抑えこんでしまうと身体によくないです。
怒りが出る時に、どのように自分の身体に変化が生じるか観察してみましょう。
筋肉が萎縮して、血管も縮まり、体全体が緊張して硬くなり、呼吸も止まります。
ゲラゲラ笑いながら怒っている人は見たことありません。
心と体はつながっている
なんらかの感情が出ると身体にも反応が出ます。
身体は感情とつながっています。ネガティブな気持ちを繰り返し感じていると、その部分に関係している身体の部位がダメージを受けます。
病気は心とつながっています。
身体からのメッセージです。
怒りすぎで肝臓に負担かかったり、ストレスで胃痛がしたり、と。
溜め込まずに適度に発散しましょう。
体調が悪い人は、本心とずれたことをしています。
なぜ腹がたつのか?
それは不当な扱いを受けたと感じるからではないでしょうか?
人が自分のいうことを聞かなくて腹をたてるのも同じことです。
怒りはわかりやすいので、出し切りやすいです。
怒りをずっと表現し続けることは難しいです。
一度やってみてください。
1時間ぐらい怒り続けてみましょう。
怒り続けているうちに疲れてくるか、バカらしくなってしまうのではないでしょうか?
笑いながら怒る人はいないので、怒りが出てきたら「笑い姿勢」になりましょう。
腰に手を当て、上の方を見て、口角を上げ、「ワッハッハッハ〜。私は怒ってるんだぞぅ〜」と大声で3回言いましょう。
笑い顔でやっているとバカらしくなってきて、怒りも収まるでしょう。
心がブレた瞬間を捉えると、何に引っかかっているかが見えてくる
特定の感情、情動が起こった時に、いったい何に反応してそうなっているのか?
自分の中にどんな思いが沸き起こるのか?
感情がブレた瞬間に、自分の内面でなにが起こっているかを瞬時に観察すると、何に反応しているかが見えてきます。馬鹿にされたと感じると腹たつ、嫌われたくない気持ちが強い、など。
そしてそこにはあなたの強い執着や観念があります。
親兄弟に馬鹿にされ続けていた過去や、のけ者にされた記憶。
「私はダメな人間だ」「出る杭は打たれる」「善人は人を嫌わない」など。
そこに潜むあなたの固定観念は今も持ち続ける必要があるでしょうか?
そこを見直して、あなたの幸せを邪魔している観念を見つけたら、まだ持ち続けたいのか、手放すのか、自問自答しましょう。
平常心がブレた時はそれを見つける良い機会です。
悦月(えつき)