私たちは過去情報でできている
私たちはとくに意識しなかったら、過去の情報に埋もれて過ごします。
「あなたは誰ですか?」と聞かれた時、ほとんどの人は自分の過去情報から「私はこういう者です」と答えます。
「私は将来、ベストセラー作家になる予定の者です」と、初対面の人に自分の未来を自己紹介する人には私はまだ出会ったことありません。自己紹介の後で、自分の夢を語る人はいますけど。
自分という存在は、通常「過去どうであったか?」「何をしてきたか?」で判断されます。過去にやってきたことがあなたを証明するものになってしまいます。
たしかにそれもあなたを表していますが、それは今までのことです。これからも同じとは限りません。
それよりもこれからあなたが何をするか?
どうあるのか?
そちらがこれからのあなたを作っていきます。
と考えると、「私は〇〇になる者です」という未来の自己紹介をしてもおかしくありません。
もし記憶喪失になれば、他の人があなたを確認したとしても、あなたは自分のことがわかりません。
どこで何をしてきた人物なのか?
あなたは過去の自分が思い出せませんから、また新たにあなた自身がどんな人物なのかを知り、あなたのストーリーを作っていくことになります。
過去をほじくり回すより、明るい未来に意識を向けよう
過去に向き合うことも大事ですが、同時に未来に向き合うことも大事です。
過去のトラウマがその後の人生の足を引っ張るなら、未来の大きな出来事が今のあなたを引っ張っていくことも考えられます。
未来で、あなたの心を揺さぶる忘れがたい出来事が起こるとしたら、その余韻が今に伝わっていてもおかしくないのではないでしょうか?
あなたがベストセラー作家になっているとしたら、今すでにそれを無意識が感じ取っていて、その準備をしているかもしれないということです。
顕在意識は気づいていないかもしれません。
顕在意識は過去の延長線上で考えたがりますから、反対に足を引っ張ってしまいかねません。「今は文章を書くより仕事でしょ。文筆は趣味ですればいいから」と。
「今の自分のダメなところをどうにかしないといけない」と思うと、過去ベースの自分で考えがちです。それだと過去の延長線上の未来を選択しかねません。
未来は一つではない。あなたの選択によって変わる。
未来といっても、あらゆる可能性の未来がひらけています。
その可能性の数の分だけ、あなたの未来はあります。あなたがどの未来を選ぶかで、あなたの前に現れる未来は違ってきます。
あなたが自分の未来に耳を澄まし、澄んだ心ですべき選択と行動をしていけば、はるか遠くで聞こえていた心の声がだんだんと近づいて現実味を帯びてきます。
過去にとらわれるのではなく、過去とは関係なく、純粋に未来に耳を傾けてみてください。
え?未来に耳を傾けるってどういうことですか?
と思う人もいるでしょう。
「過去こうだったから」と過去基準で未来を決めないこと。
また、今の価値観や常識で判断して制限をかけないこと。
これらに気をつけて、ただ、未来の可能性を感じてみましょう。
抽象的な言い方ですが、未来からやってくる音や声を聞き取ろうとする感じです。
そうしている時、あなたの頭は考えてません。ただ耳を澄ませています。
そんな空白時間にはあなたは過去にとらわれていません。
問いかけをして耳を澄ませます。
頭が空白になると、その答えがやって来やすくなります。何度もやっていると、あなたが本当にすべきことが、ある日、ストンとあなたの中に降りてくるでしょう。
悦月(えつき)