50代でもチャンスはある
画家のセザンヌの初個展は、彼が56歳の時。
ダーウィンが『種の起源』で進化論を発表したのが50歳の時。
俳優のモーガン・フリーマンが映画俳優として知られるようになったのは彼が50歳の時。
画家のジョージア・オキーフに関心が集まってきたのは彼女が50代の時。
アニメ『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんが売れ始めたのは60歳を過ぎてから。
20代30代の頃に成功しなかったら、もうチャンスはないように思われがちですが、才能が開花するのは若い時とは限りません。
スポーツは体力的なことがあるので、イチローのように子供の頃からやっている方がいいでしょう。
音楽の分野も子供の頃から学んでいる人に天才が多い気がします。
しかし、研究や芸術芸能の分野ではそうとは限らないようです。
お能は50代はまだ若造だと言われます。
自分が探求している分野を突き詰めて突き詰めていって、やっと極めることが
できる。
長い時間をかけていくことにより熟成され、境地に至る。
そんな分野もあります。
人生もそうです。
老いとともに心豊かになる人生
老いるほどにしなびて衰えていくのではなく、老いるほどに熟されて境地に達する。
と考えれば、老いることに対して恐れを抱くよりも前向きになれます。
年を経ることがマイナスの減算ではなく、ブラスの加算になっていく。
いろんなことが積み重なり、より豊かに、より密度濃くなっていく。
ちょっと視点を変えてみれば、
ん?それって当たり前じゃない?
とも思えてきます。
年をとっていくということは、生きている時間が長いということで、その分、経験や知識も増している、と単純に考えれば、そうだなと思えます。
が、実際は、そんな風に豊かな人生を生きている人が少ないという事実があります。
大人になるほどに、年をとるほどに、何も考えなくなっていきます。同じことの繰り返しの中で、ただなんとなく生きている人が多いです。
なので、年をとるほど、心身ともに下り坂になってしまいます。
常識がそうなので、そのようにみんな反応しているのでしょう。
年をとると体力が衰える。
新陳代謝が悪くなる。
肌のハリがなくなる。
物忘れするようになる。
などなど。
体力は若い頃と比べると確かに衰えてくるでしょうが、若者より元気なお年寄りもたくさんいます。一般論で「年をとると衰える」と言われるのもどうかと思います。そのように言われているからそのようになっているんだろうなと思います。
これもまた常識という名の洗脳を受けています。
脳は鍛えれば、成長できる
脳の神経細胞は生まれた時が一番多くて、その後減っていくそうです。けれども脳細胞が新しい刺激を受けると、ネットワークが強化されて、さらに成長できるそうです。
年をとってボケていく人と、ますます冴え渡る人との違いは、日常でどのぐらい脳に新しい刺激を与えているかの違いなのでしょう。
学者やアート&クリエイティブ系の人、趣味の多い人は、新しい刺激を常に得ています。好奇心が旺盛ですから退屈しません。
加齢とともに加算される人生ですね。
あなたが今、何歳だとしても、今が一番若いのです。
これからの人生、貯蓄残高を引き出すだけにするよりも、年齢とともにさらに内面が加算され、豊かになっていく人生にしていきたいですね。
これからは目先の結果を求めるより、そういう心の豊かさを求める時代に入っていきます。
心の豊かさは「Aだ、Bだ」という明確なものがついてこないのでわかりにくいです。けれども確実に人生は充実していくでしょう。
なぜならあなたの内面が豊かになっていくからです。
悦月(えつき)