言葉より先に伝わるもの
人もまた動物です。
他の動物と違って、言葉という言語を持っています。そのため、いろんなことを考えることができます。だから知性的な生き物かというと、そうでもなくて、肝心なところはかなり動物的判断を使っています。
例えば、コミュニケーション。
人と会って話をして、理性的にお互いの理解を得ようとします。
しかし、もしあなたが、「この人は言うこと聞かない」「言ってもわからないだろうな」「いつも態度が悪いんだから」など思って相手に接したとしたら?
あなたがいくら口で、「あなたならできるよ」「期待してるから」「応援しているよ」と言ってみたところで、あなたの内心の気持ちは先に相手に伝わっています。
「この人とは合わない」とか、「言ってもわかってもらえないだろう」というバックグラウンドの上に、「協力してね」「がんばろうね」という文字を書いたとしても、相手には「それ、本音じゃないでしょ?」というところが伝わってしまいます。
言葉で表現するよりも前に、あなたから出ている態度や雰囲気、エネルギー、声音などからキャッチされる情報が無意識に伝わり、優先されます。
「この人にはムリだろうな」と思いながら何かを頼んだり、助言したとしても、あなたが「できない」と内心思っているならそちらがしっかり伝わっています。聞いている当人は、それに気づいていないかもしれませんが。
あなたの思い描く像を変えていこう
目の前の人を言葉で変えようとしても難しいです。しかし、あなたの中にあるその人の”像”が変われば、あら不思議、その人の言動は変わっていきます。
よくお母さんが子供に、「お前は計算ができないんだから」とか、「怠けてばっかりでロクな人生歩まないよ」などマイナスな声かけをします。
未来はまだどうなるかわかりません。なのに、このお母さんは子供に対してすでにそういう未来を見ているのです。心の中で、自分の子供がそういう人になることを思い描いています。
これを言い続ければ、子供は母親が思い描いた通りになっていくか、そこに猛反発して違う人生を歩もうとするか、あるいは、引きこもってしまうか、、、。
長い目で見たら、必ずしも悪いことではなく、それをバネとするからこそ成長できる場合もあります。けれどもその呪縛から逃れるのはかなり大変だし、時間がかかることです。できれば、もっとスムーズに才能を発揮して人生歩んで欲しいですね。
人間関係がうまくいかない人は、自分の中で思い描いている像を要チェックです。自分についても、他人についても。
嫌われたくない(気に入られたい)、自分はコミュニケーション下手、と思っていたら、そのように振舞ってしまいます。
これも同じ原理です。
自分の中の”像”が大事です。
相手に対しても、自分に対しても。
まずは自分が内面で思い描いている”像”を望みのものに変えていきましょう。そうすれば、自然と外の世界の情景も変わっていきます。
悦月(えつき)